Conditions


Weights (斤量)

 ほとんどの国では60kg以上の斤量で行われます。65~75kgの斤量が中心であり、国によっては80kg近い斤量を背負うこともあります。例えばニュージーランドは65kgが基本、そこから実績に応じて斤量が加算されるシステムを取っています。チェコのVelka Pardubickaは70kgの定量で行われます。70kg以上の斤量で行われることが多いイギリス・アイルランド障害が最も重く、これに60kg台後半が多いフランス、ニュージーランド、チェコなどが続く形となっています。日本は世界的に見ると特異に軽い斤量設定がされています。

 イギリス・アイルランドではストーン・ポンド表示を用います。1ストーン = 14ポンド = 約6.35kgです。例えば11st12lb = 11ストーン12ポンド = 約75.3kgとなります。ほとんどのレースは10st0lb ( = 63.5kg)から11st13lb ( = 75.7kg)の間で行われますが、一部のハンデ戦では9st台後半で走る馬も存在します。また、Hunters' Chaseなどのアマチュア騎手限定戦ではスピードを落とすため、12st台の斤量が設定されています。

 アメリカはポンド表示を用います。1ポンド = 約0.45kgです。だいたい140ポンド  ( = 63.5kg)から170ポンド ( = 77.1kg)を背負います。

 ポンド・ストーン表示の大まかな斤量換算表はこちら

 

Distance (距離)

 一般に平地競争よりも長い距離を走ることが多く、2000メートル後半から7000メートル級までの多様な距離を走ります。現在世界最長となっているのはフランスCross CountryのAnjou-Loire Challengeであり、これが7300メートルです。2000メートルクラスのレースは、日本の他にニュージーランドやオーストラリアの下級条件戦で見ることが出来ます。傾向として、より長い距離で難易度の高い障害を用いるレースが高い権威と人気を誇ります。各国で最も権威のあるレースとして、イギリスGrand National (G3)は6900メートル、フランスGrand Steeplechase de Paris (G1)は6000メートル、チェコのVelká Pardubickáは6900メートル、イタリアGran Premio Merano (G1)は5000メートル、ポーランドWielka Wrocławskaは5000メートル、ニュージーランドのGreat Northern Steeplechaseは6400メートルの距離を走ります。

 イギリス、アイルランドではマイル・ハロン・ヤード表示を用います。1マイル = 8ハロン = 約1609メートルです。また、1ハロン = 220ヤード = 約201メートルです。例えば3m2f110y = 3マイル2ハロン110ヤード = 約5331メートルとなります。各レースによって小さな誤差はありますが、大きく2マイル (16f)戦 、2マイル4ハロン (20f)戦、3マイル戦 (24f)戦の3つの路線に分けられます。

 

Going (馬場)

 日本障害競馬は良馬場で行われることが多い一方で、イギリス・アイルランドやオセアニアの障害シーズンは冬であるため、重馬場で行われることが多くあります。特に近年のイギリスは冬の降雨が問題となっており、競馬場が水没して開催中止になることは度々あります。各国ともHeavyやLourdとなると、日本で想像される不良馬場よりもはるかに重く、良馬場とは全く異質の馬場が作られます。各国の馬場表示は以下のようになっています。

 イギリス:Hard - Firm - Good - Soft - Heavy

 アイルランド:Hard - Firm - Good - Yielding - Soft - Heavy

(Hardはまず用いられない、Goodで良馬場に相当)

 フランス:sec - tres leger - leger - bon leger - bon - bon souple - souple - tres souple - collant - lourd - tres lourd

(BonでGoodに相当)

 チェコ:tvrdá - pevná - pružná - měkká - těžká - hluboká

(stav dráhyとは馬場状態を指す)

 イタリア:duro - buono - morbido - leggermente pesante - colloso - pesante - molto pesante

 ドイツ:hart - fest - gut - weich - schwer - tief

 ポーランド:twardy - lekki - lekko elastyczny - elastyczny - mocno elastyczny - ciężki

(Stan toruとは馬場状態を指す)

 オーストラリア:Firm - Good - Soft - Heavy

 ニュージーランド:Fast - Good - Dead - Slow - Heavy

 アメリカ:Firm - Good - Yielding - Soft - Heavy

 

Runs (出走頭数)

 レースによって大きく変わりますが、比較的平地競争よりは小頭数で行われることが多いようです。イギリスやアイルランドでは10頭以下のレースが行われることは少なくなく、有力な馬が出走してきたNovice戦や重賞は5頭以下で行われることも多々あります。英国競馬を主催するBHAは小頭数のレースを問題視しているようです。一方でハンデ戦重賞やHurdleの未勝利戦(Maiden)には比較的多数の馬が集まることが多く、20頭以上で行われることもあります。例えば英Grand National (G3)の出走枠は40頭ですが、毎年100頭以上の登録を集めます。レーティングによって出走順と斤量が決定します。

 一方で、チェコやイタリア、フランス、ニュージーランドなどのレースでは、比較的コンスタントに10頭前後の頭数を集めているようです。

 

Start (スタート方法)

  主にバリアスタートを用います。これはスタートラインに馬が集まり、ラインが上がることでスタートを切るもので、かつては日本でも使われていました。小頭数であれば問題はないのですが、多数の馬が集まるレースの場合はスタートの失敗(False Start)はしばしば生じます。また、スタート地点のポジションによってレース中の位置が決まる部分もあるため、スタート地点から騎手の駆け引きが始まっていたりします。

 日本障害競馬のようなゲート式のスタートを用いる国としては、ニュージーランドやオーストラリアの一部が挙げられます。世界的にはバリアスタートが多く、ゲート式はオセアニアやアジアで多く見られます。